THE END

泣きたくなるくらいに毛皮のマリーズが素晴らしい。

THE END【初回盤】

THE END【初回盤】

あまり頻繁に使いたい言葉ではないけれど、
ラストアルバム THE END は何よりもただ「うつくしい」。
その達観した純粋さ故に解散してしまうのかとも思うけれど。

そしてそのうつくしさに惹かれて、ここのところはずっとマリーズマリーズ。
gloomyもティン・パン・アレイもコミック・ジェネレイションもrebel songも
とにかく寝ても覚めてもマリーズマリーズ。

そして終着点が提示された今、ますます彼らの変化を感じ取ってしまうことが寂しい。

「わかりやすい安心を神様 今すぐプリーズプリーズミー」
「愛も平和も興味ないよ だって君にしか興味ないもん」
「そうさ 2人の距離 それがこの世界の直径
そしてそれを縮めてく人類の歴史」

「愛するあなた」と「私」しかなかったマリーズの世界は、どんどんどんどん広がっていったのだ。うつくしさとえげつなさを引き換えに、というか、自然にそうなっていったのだ。ティン・パン・アレイどころか、ビューティフルの時点でその変化は始まっていたのだ。

バンドは、生き物だし。仕方ない面はあるのだけど。
そして彼らの辿った軌跡こそが、毛皮のマリーズの素晴らしさの最たるものなのかもしれないけど。

それでも、それだからこそさびしい。ひとりごち。
ただ私はあなたたちともっと一緒にいたかっただけなの。一緒にいたいの。