途中経過

本日もお疲れ様でした。今宵の食堂車に待ち受けますのは、合衆国は東海岸ボストンの地下にはびこる 翼を生やしたドブネズミバンド。車掌はわたくし、宇宙の胞子をばら撒きます蛇に絡みつかれた火星の蜘蛛が担当いたします。走行中の居眠りは太陽ウイルス及び月感染症に襲われる恐れがございますゆえ、どうかご遠慮いただけますよう銀河系に誓ってお願い致したく思っております。
「切符を拝見致します、あぁどうかそのまま。そう、目を閉じて。はい、良いですよ。では目的地までは長距離料金が加算されます。ご了承ください。」

ドクロの右目からただれた唇の元あった場所まで、着いてしまえばいっしゅんのAmazing Journey。耳からアオダイショウを垂らした盲目の車掌の咳き込む声しか聞こえない8両編成一等車のボックス席に座って、だらだらぐちゃぐちゃと文字がこぼれて足元にやかましい綿ぼこりを産んでいく。